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ドイツの動向「German Water Partnership」

水ビジネスの世界市場では、フランスのヴェオリア、スエズ、英国のテムズ、米国GEがメジャーとして大きな存在感を示しています。GEは北京オリンピックのメインスタジアム「鳥の巣」の浄水システムを担当しました。ドイツは技術力があるにも関わらず、日本と同じように、「総合力」の欠如で出遅れています。日本は国内市場さえ、フランスのヴェオリアや米国GEなどに奪われ始めています。

国際市場におけるドイツと日本の劣勢

日本もドイツも、水事業の民営化が遅れ、結果、非効率な水道事業を抱える地方自治体の行政改革は一向に進まず赤字は増大するという負の連鎖が続いています。

ドイツは電力大手2社(RWE社、Eon社)が国際水市場に参入しましたが、不振から、結局撤退することになりました。重電メーカーのシーメンスが健闘しています。

ドイツは日本と同じように、高い水技術を持っているにもかかわらず、総合力の欠如が国際競争力に暗い影を落としています。ドイツも日本も、国内の経営資源、企業、技術を効果的に体系化できずに、大型の開発プロジェクトへ参入できていないのです。

3大メジャーであるフランス、英国の企業は水ビジネスの経験を100年以上にわたって蓄積しています。このノウハウの蓄積に対抗するためにも、ドイツや日本勢は官民(産学官)連携でキャッチアップしていく必要があるでしょう。

連携で対抗する

事実、2008年にドイツ連邦政府は、国内水事業を一つの統一ブランドとして結集し、国際水市場に本格的に進出することを狙った「German Water Partnership(http://www.gewp.de/)」を設立しました。民間企業、各種団体、大学・研究機関等243のメンバーが参加しています。日本も2009年に「海外水循環システム協議会」を設立しました。

GWP

German Water Partnershipは、海外窓口業務と、海外市場の開拓で、ドイツ企業間の協力、関係研究機関、連邦省庁との協調を促進することが役割です。German Water Partnershipには、大学や研究機関が参加し、産学官連携になっていますが、日本のプロジェクトでは官民のみです。