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水ビジネスにおける新興勢力シンガポール

アジア地域で水ビジネスに最も重点を置いているのはシンガポールである。かつてシンガポールは水自給率が低く、国内の水需要の大半を隣国のマレーシアから輸入していた。しかし、マレーシアからの水価格の大幅な値上げ要求で困惑したシンガポール政府は対策を迫られた。これを契機にシンガポール政府は水資源を一括管理する PUB(Public United Board、公益事業庁)に水研究・ビジネスの中心となる「ウォーター・ハブ」を2004年に設置した。

世界に通用する水事業の確立を国家の目標として掲げたのである。シンガポール国内問題「水問題の解決」と「シンガポール企業のグローバル水事業会社への成長」を同時推進するという野心的な政策である。

シンガポールの有力企業ハイフラックス

250億円を支援し産官学のスキームで水ビジネスの育成を図ることにした。シンガポール政府の肝煎りは水処理会社ハイフラックス(Hyflux Ltd、http://www.hyflux.com/)である。上下水道供給施設の管理運営をハイフラックスに全面的に委託した。これによって、ハイフラックスに実績を積ませ、中国や中東、北アフリカ地域でのビジネスを急速に展開している。