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水ビジネス関連の銘柄

ジェイ エフ イー ホールディングス(5411)
クボタ(6326)
三菱商事(8058)
日揮(1963)
東レ(3402)
三菱レイヨン(3404)
オルガノ(6368)
栗田工業(6370)
富士古河E&C(1775)
日立造船(7004)
アタカ大機(1978)
クリエイト(3024)
東洋紡(3101)
クラボウ(3106)
旭化成(3407)
大王製紙(3880)
日本化成(4007)
戸田工業(4100)
ダイセル化学工業(4202)
DIC(4631)
日本ガイシ(5333)
ササクラ(6303)
荏原実業(6328)
野村総合研究所(4307)
千代田化工建設(6366)
日新電機(6641)
日東電工(6988)
三井造船(7003)
三菱化工機(6331)
双日(2768)
ノリタケカンパニーリミテド(5331)
富士電機ホールディングス(6504)

市場規模からみた水ビジネスの技術力

水ビジネスの市場規模とは世界で百兆円といわれている。水ビジネス市場は次のようなサブ市場からなりたつ。

・キーデバイス(膜ろ過、オゾン処理など)
・プラント建設(ポンプ、パイプなど)
・運転管理(日常管理など)
・メンテナンス(緊急対応、リスクヘッジ)
・顧客管理(料金徴収、クレーム対応など)
・コストダウン(漏水対応、ノウハウなど)
・補修・更新
・資金調達
・事業経営
・契約(長期契約のリスクヘッジ)
・営業

この中で、キーデバイスの市場規模は1兆円、キーデバイスとプラント建設の市場規模は10兆円で、上記すべての市場規模で100兆円に達するのである。

この水ビジネス市場において、日本勢は「キーデバイスの技術力」に強みがあるといわれている。

キーデバイスは水ビジネスのキーであることは確かであり、その技術力には膨大な蓄積が必要なのである。

しかし、このキーデバイスやプラント建設の市場規模はそれほど大きなものではない。欧米勢が強みを持つメンテナンスから顧客管理、資金調達といったマネジメント的な市場こそが規模が大きく、日本勢がどのように技術力を磨いたとしても、収益性で苦戦するのも妥当である。

東京都水道局のマネジメントを組み合わせた、「オール・ジャパン」が豪州市場に進出することになったが、これをきっかけに日本の水マネジメント能力が高く評価されるようになれば、英仏をはじめとした欧米勢の牙城を崩せるだろう。

東京都の水道ビジネスの競争力

東京都水道局は、世界でもトップクラスの技術、ノウハウを持っている。東京都の水道料金徴収率は99.9%であり、給水規模も1,300万人(1日平均430万立方メートル)、漏水率3.1%という世界的にも巨大で、高い実績を上げている。

以下は東京都水道局の所管・出資会社である。

東京水道サービス株式会社


東京水道サービス(TSS)は、技術力、民間の有する柔軟性を最大限に発揮するために、東京都から水道施設の運転管理業務、漏水防止・管路等の維持管理業務、給水装置(各家庭への引込管等)工事の審査・検査業務など水道事業運営上重要な業務(準コア業務)を受託し、東京都水道局のパートナー企業として、水道局と一体となって、水源から蛇口までのライフラインを支えている。

主要な業務としては、次のようなものである。

(1) 浄水施設等管理
浄水場運転管理、給水所維持保全、集中管理の遠方監視による小規模浄水所等の運転・維持管理等

(2) 管路施設管理
管路維持・管理、配水管工事の設計・監督、他企業工事立会等

(3) 給水装置
設計審査、施工承認、完成図審査・検査等

(4) 水源等管理
水道水源林の保全等

(5) コンサルティング
管路診断、漏水調査、耐震診断調査、貯水槽水道点検調査等

(6) 技術開発
配水管内面洗浄工法、時間積分式漏水発見器等

(7) 水道資器材管理
備蓄資器材の在庫管理・保管

(8) 水道技術研修
東京都水道局研修補佐業務、日本水道協会講習会業務等

(9) 国内外への水道界への貢献
漏水調査等のコンサルティング、海外研修生受け入れ、民間企業等と提携した調査等

PUC株式会社


PUCは2004年に設立された、東京都水道局のパートナー企業である。
業務の内容は以下の通り。

1.カスタマーサービス事業
・コンタクトセンターの構築・運営
・水道料金徴収業務等の公益事業等に係る各種事務処理の代行

2.システム開発・運用事業
・情報処理システムの企画及び既存システム構築を含むソフトウェア・システムの開発
・LAN,WANの設計・構築を始め、ネットワーク環境の総合運用管理サービスの提供
・システムの運用・保守

3.その他事業
・経営及び情報処理システムのコンサルティング
・情報処理システムに関する各種情報教育サービスの提供


日本の官民連携会社、豪州水道事業会社を買収

2009年7月に政府と企業などが出資して「(株)産業革新機構」を設立した。この産業革新機構は、次世代産業へ戦略的な投資を行う。

2010年5月、産業革新機構と日揮、三菱商事などは、豪州第2位の水道事業会社「United Utilities Australia Pty Limited社(UUA社)」を買収した。この案件は官民が連携した、日本初の水ビジネスの海外展開となる。

UUA社は豪州の4州で、上下水道、海水淡水化、工業排水処理、再生水など関連14事業を展開している。給水規模は約300万人に上る。今後、新会社を設立しUUA社の事業を承継して行く。さらに、東京都の水道技術・ノウハウが活用される予定である。

東京都水道局と産業革新機構は2010年3月に、東京水道サービス(株)(水道局が所管・出資)の水道技術や運営ノウハウを相互共有するための協定を締結している。

参考:
株式会社産業革新機構

ドイツの動向「German Water Partnership」

水ビジネスの世界市場では、フランスのヴェオリア、スエズ、英国のテムズ、米国GEがメジャーとして大きな存在感を示しています。GEは北京オリンピックのメインスタジアム「鳥の巣」の浄水システムを担当しました。ドイツは技術力があるにも関わらず、日本と同じように、「総合力」の欠如で出遅れています。日本は国内市場さえ、フランスのヴェオリアや米国GEなどに奪われ始めています。

国際市場におけるドイツと日本の劣勢


日本もドイツも、水事業の民営化が遅れ、結果、非効率な水道事業を抱える地方自治体の行政改革は一向に進まず赤字は増大するという負の連鎖が続いています。

ドイツは電力大手2社(RWE社、Eon社)が国際水市場に参入しましたが、不振から、結局撤退することになりました。重電メーカーのシーメンスが健闘しています。

ドイツは日本と同じように、高い水技術を持っているにもかかわらず、総合力の欠如が国際競争力に暗い影を落としています。ドイツも日本も、国内の経営資源、企業、技術を効果的に体系化できずに、大型の開発プロジェクトへ参入できていないのです。

3大メジャーであるフランス、英国の企業は水ビジネスの経験を100年以上にわたって蓄積しています。このノウハウの蓄積に対抗するためにも、ドイツや日本勢は官民(産学官)連携でキャッチアップしていく必要があるでしょう。

連携で対抗する


事実、2008年にドイツ連邦政府は、国内水事業を一つの統一ブランドとして結集し、国際水市場に本格的に進出することを狙った「German Water Partnership(http://www.gewp.de/)」を設立しました。民間企業、各種団体、大学・研究機関等243のメンバーが参加しています。日本も2009年に「海外水循環システム協議会」を設立しました。


German Water Partnershipは、海外窓口業務と、海外市場の開拓で、ドイツ企業間の協力、関係研究機関、連邦省庁との協調を促進することが役割です。German Water Partnershipには、大学や研究機関が参加し、産学官連携になっていますが、日本のプロジェクトでは官民のみです。